自動運転バスの
エクステリア・デザインコンペ
自動運転バスエクステリア・デザインコンペ 自動運転バスエクステリア・デザインコンペ

開催コンセプト

近年自動運転技術は急速に発展し、安全な運行のための各種技術が確立されつつあるものの、
自動運転車は道路交通法を遵守するあまり、周辺のドライバにとっては慎重すぎるようにもみえる
運転行動をとることがあります。また、運転手がいない自動運転車や、運転手がいてもハンドルから
手を放している自動運転車に対しては、歩行者に不安を与えてしまう場合があります。
このため、自動運転車両の周辺を走行するドライバや走行区域周辺の住民等からの受容性
(以下、社会的受容性)が重要視されています。


本コンペは、自動運転バスの社会的受容性向上の一環として、慎重な運転をする自動運転車に対して、
周辺のドライバが危険な追い越しや煽り運転等の、自動運転バスの安全な運行の妨げとなるような運転を控えようと
思えるような、そして地域の住民が自動運転バスを安心して見守れるような自動運転バスのエクステリアを募集します。

審査員紹介

河合 英直

河合 英直

交通安全環境研究所 自動運転研究統括監および自動車安全研究部長/自動運転基準化研究所長

交通安全環境研究所(NTSEL)の自動運転研究統括監及び自動車安全研究部長並びに自動運転基準化研究所の所長として、自動運転車の安全性に関する研究・試験手法開発を担当している。内燃機関の燃焼研究及び排ガス測定の分野で30年以上、研究者としての経験を有している。また、電気自動車の性能や自動運転車の安全性に関する試験手法のマスタープランを10年以上にわたり策定してきた。現在も、自動運転車の国際的な安全基準の策定に貢献し続けている。2023年4月、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)よりU.S. Government Special Award of Appreciation(特別賞)を受賞。

審査員から
応募者にひと言!
自動運転と聞くと、一般の方は“すごいクルマ”、“完璧な運転”というイメージを持つかと思います。でも実際にはまだ自動運転車は開発途上であり、周囲のドライバーが期待するような動きをしない場合もあります。そんな時に、技術だけで解決するのではなくデザインの力を借りて人々がやさしく見守ってあげたいと思うような自動運転バスとすることで、より良い交通社会を一層早く実現することができるのではないかと考えています。
佐治 友基

佐治 友基

BOLDLY 株式会社

代表取締役社長 兼 CEO

2009年ソフトバンク入社後、営業企画などを経て孫正義主催「ソフトバンクアカデミア」第1期生に選出。2016年に「移動の自由」を理念に社内起業でBOLDLYを設立、当時最年少で社長に就任。自動運転運行管理プラットフォーム「Dispatcher」を開発、世界40社超の自動車メーカーと連携。2020年に日本初の自動運転バス実用化、2024年には国内初のレベル4認可を複数地域・車種で取得。現在16地域で運行中。

審査員から
応募者にひと言!
デザインには、地域との関係性を育む、計り知れない可能性があります。4年前に、内海聖史さんという尊敬する画家に、茨城県境町の自動運転バスのデザインをお願いしたことがあります。内海さんのデザインを車体に施したその日から、自動運転バスへの周囲の車両や歩行者の接し方がガラッと変わり、地域に愛され、育てられる対象になったのです。
参考:内海聖史氏インタビュー
谷口 綾子

谷口 綾子

都市交通計画・交通工学研究者

筑波大学システム情報系社会工学域教授

交通工学と都市交通計画学のバックグラウンドから、モビリティに関わる社会的ジレンマに心理学を応用し、社会問題を緩和する研究を模索中。土木学会理事、内閣府規制改革推進会議、国土交通省社会資本整備審議会委員などを歴任。コミュニケーションを主体としたソフト交通施策モビリティ・マネジメントの理論・実務的研究のほか、近年は自動運転システム、電動キックボードなど新たなモビリティの社会的受容の定量・定性評価に携わる。趣味はまち走り(まちあるきより少しだけ速い)、バス・鉄道の路線図あつめ。

審査員から
応募者にひと言!
言うまでもなく、クルマの見た目はとても大事です。自分のクルマなら好きな見た目を選べばよいのですが(私は黄色いクルマが好き)、みんなで使うバス、それも自動運転のバスの見た目はどのように選び、決めたらよいと思いますか?このコンペが「乗客だけでなく周囲のクルマや歩行者・自転車などさまざまな人々に受け入れられる自動運転バスの見た目」を考えるきっかけになってほしいです。
根津 孝太

根津 孝太

クリエイティブコミュニケーター/デザイナー

有限会社znug design

クリエイティブコミュニケーター、デザイナー。千葉大学工学部卒業。トヨタ自動車入社、愛・地球博i-unitコンセプト開発リーダーなどを務める。2005年znug design設立。人機一体 零式人機、GROOVE X LOVOT、サーモスケータイマグ、タミヤミニ四駆、電動バイクzecOO、超小型モビリティrimOnOなど、多くの工業製品のコンセプト企画とデザインを手がける。グッドデザイン金賞、日本感性工学会かわいい感性デザイン賞最優秀賞、他多数受賞。千葉大学工学部教授、グッドデザイン賞審査委員。著書『アイデアは敵の中にある』(中央公論新社)、『カーデザインは未来を描く』(PLANETS)。

審査員から
応募者にひと言!
自動運転を社会実装するためには、制御システムの完成度を高めるだけでは不十分だと考えています。社会が自動運転車を受け入れ、交通の中で自然な存在として扱われるようになるためには、どのようなデザインが必要になるでしょうか? 人が運転をしていない自動運転車は、クルマ自体がひとつの人格と言えるのかもしれません。周囲からのポジティブな反応を引き出せるような、ステキなデザインを期待しています!
山本早里

山本早里

筑波大学芸術系 教授

横浜生まれ。東京理科大、東京工業大学に学び、2001年から筑波大学講師、2019年から現職。デザイン学学位プログラムリーダー。日本デザイン学会理事、日本建築学会小委員会主査、日本色彩学会代議員他。共著に『建築の色彩設計法』(丸善)、『光と色の環境デザイン』(オーム社)、『いま、この研究がおもしろいPart2』(岩波ジュニア新書)ほか。デザイン事例にひたちBRTバスラッピングデザイン、茨城県立土浦第三高等学校色彩計画、つくば市公共サイン、文京区公共サインなど。日本デザイン学会研究奨励賞、JCOMMデザイン賞、公共の色彩賞などを受賞。

審査員から
応募者にひと言!
そのデザインがあることによってその場の価値が高まるようなデザイン、周囲に美しい影響やポジティブな影響を与えるデザインを期待しています。
山本 卓身

山本 卓身

プロダクトデザイナー

Takumi YAMAMOTO, デザイナー/代表

大阪・関西万博に向けた先進モビリティ・デザインに携わり、岩谷産業の次世代水素モビリティ「まほろば」やSkyDriveの空飛ぶクルマ「SD-05」などを手がける。日・英・仏でカーデザイナーとして活動した後、2017年にTakumi Yamamotoを設立。日仏に拠点を持つデザイン会社の代表として、ブランディング、プロダクト、モビリティ、インフラ領域まで幅広くデザインに関わる。機能と感性のバランスを探求し、次世代へつながるデザインを追求。2024年よりグッドデザイン賞審査員としても活動中。

審査員から
応募者にひと言!
様々な変化が進む中で、実装が期待される自動運転モビリティ。既存のセオリーを踏襲すべきか?かっこよさ、かわいさ、周囲への溶け込み——用途やシチュエーションに応じて多様な答えがあるはずです。その中で、自動運転バスには何が最適なのか。皆様のデザインとその背景にある考えを楽しみにしています。

募集部門

自動運転バスの
エクステリア・デザイン賞

【ボディ部門】

1. 募集概要
自動運転バスのボディ形状をデザインする部門です。秀逸なデザインがなされた応募作品に対して、個人あるいは団体を対象として表彰します。
2. 審査基準
  1. (1)「社会的受容性」
    応募された自動運転バスにおける社会的受容性*1 を評価します。歩行者、周辺のドライバなどの周囲の交通参加者に配慮されるデザインを社会的受容性の観点から評価します。
    *1 社会的受容性は説明動画を参照のこと
  2. (2)「実現可能性」
    応募された自動運転バスにおける実現可能性を評価します。現在の技術水準を考慮し、公道を走行している風景が容易に想像できるかの観点から評価します。歩行者や車両を検知するセンサも車両形状にマッチして配置されているとなおよいです。
  3. (3)「意匠性」
    応募された自動運転バスにおける、各種要素の美的バランス、遊びごころ、全体的な品位等を、「意匠」の点から評価します。
    ただし、ボディの形状のみを選考するため、色はモノトーンとします。
3. 提出書類
立面図、展開図、パース、平面図等形式は問わない
手書き、デジタルデザインソフト、3D CAD 等、制作方法は問わない
応募作品:100 MB 未満の.pdf 形式とし、A3 サイズで鮮明に印刷が可能であること。枚数は1枚とする。
作品コンセプトやアピールポイント:500字以内の日本語にて作品のコンセプトやアピールポイントを応募フォームに入力すること。

【ラッピング部門】

1. 募集概要
既存バスの車両形状に対して、ラッピング(塗装)をデザインする部門です。秀逸なデザインがなされた応募作品に対して、個人あるいは団体を対象として表彰します。
2. 車種
minibus2.0
3. 審査基準
  1. (1)「社会的受容性」
    応募された自動運転バスにおける社会的受容性*1 を評価します。歩行者、周辺のドライバなどの周囲の交通参加者に配慮されるデザインを社会的受容性の観点から評価します。
  2. (2)「地域へのなじみ度」
    応募された自動運転バスと対象地域特性を踏まえ、地域との調和性・シンボル性を評価します。
    ①想定地区:神奈川県川崎市
  3. (3)「意匠性」
    応募された自動運転バスにおける、色彩や各種要素の美的バランス、遊びごころ、あるいは、全体的な品位等を、「意匠」の点から評価します。
4. 提出書類
配布図面を用いてデザインすること。印刷した図面への手書き、配布ファイルへのデジタルデザインソフト利用による編集等、制作方法は問わない。窓・窓枠へのデザインは不可とする。また、凹凸部やセンサ部はラッピングの際に希望通りのデザインを再現できない可能性がある。
応募作品:100 MB未満の.pdf形式とし、A3サイズで鮮明に印刷が可能であること。枚数は1枚とする。
作品コンセプトやアピールポイント:500字以内の日本語にて作品のコンセプトやアピールポイントを応募フォームに入力すること。

配布図面:ai形式pdf形式

開催概要

主催 交通環境安全研究所
筑波大学公共心理研究室
募集時期 2025 年6 月1 日(日)~2025 年7 月31 日(木)(2 か月間)
審査方法
1.一次審査
審査員による書類選考を行う
結果発表2025 年8 月末
2.二次審査
プレゼンテーション形式で審査を行う
結果発表2025 年9 月末
審査員 河合英直 (交通安全環境研究所)
佐治友基 (BOLDLY 株式会社)
谷口綾子 (筑波大学システム情報系)
根津孝太 (znug design,inc.)
山本早里 (筑波大学芸術系)
山本卓身 (カーデザイナー)
授賞式 2025 年10 月末 ロケーション未定(東京都内)
受賞者褒賞
【ボディ部門】
最優秀賞1 名
優秀賞若干名
【ラッピング部門】
最優秀賞1 名
優秀賞若干名
  • ・ラッピング部門における最優秀賞受賞作は、実際の自動運転バスにラッピングし公道を走行させる予定です

参加資格

  • ・日本国内の専門学校、短大、大学、大学院において、デザインを学ぶ学生もしくはこれらを卒業、修了した個人もしくはグループ
  • ・日本語での意思疎通が可能であること(二次審査ではプレゼンテーション形式での選考を行う可能性あり)
  • ・グループの場合は全員が上記条件を満たすこと、人数制限はなし
  • ・年齢,所属,居住地は問わないが、表彰式に現地参加(東京都内を予定)が可能であること
    ただし未成年の場合は保護者が募集要項を確認の上同意をすること

注意事項

作品の要件と表彰の取り消し

  • ・応募は未発表のオリジナル作品としAI 生成による作品は不可とする。また、同一作品の他公募等への二重応募は不可とする。
  • ・立体物の応募や郵送等紙面媒体での応募は不可とする。
  • ・本公募への複数の作品の公募は可とし、グループとして応募した者の1 名が個人として応募することや別のグループに参加して応募することも可とする。ただし、複数の作品の応募においてはそれぞれがオリジナル性を持つこととし、一部のみの変更や配色のみの変更での応募は不可とする。
  • ・公序良俗に反するもの、法令に反するもの、著作権等の第三者の権利を侵害するもの、宗教的なものは不可とする。
  • ・上記いずれかに違反したことが判明した場合、応募者が反社会的勢力の活動を助長する行為に加担したことが判明した場合、応募者がその他犯罪行為等に加担したことが判明した場合には、受賞者発表後であっても受賞が取り消される場合がある。

作品の取り扱いと個人情報について

  • ・入賞作品の著作権は応募者に帰属します(著作権法第27 条、および第28条に定められている権利を除く)。
  • ・応募作品は返却しません。
  • ・本賞の募集にあたって提供された個人情報は選考に関する連絡・問い合わせ、通知以外の目的では使用しません。
  • ・入賞作品は(独)自動車技術総合機構交通安全環境研究所もしくは(大)筑波大学が管理・発行するウェブサイト、入賞作品集などに掲載するほか、入賞作品展等で展示する可能性があります。また本賞の紹介などで他社の媒体に掲載することがあります。
  • ・入賞者の氏名、年齢、住所(都道府県と在住市区まで)、所属(勤務先・学 校名)のほか、プロフィール、顔写真も紹介する可能性があります。入賞候補作品、最終選考に残った作品を入賞発表前に当ウェブサイトで掲載する可能性があります。入賞作品だけでなく、最終選考に残った作品及び制作者氏名、住所(都道府県と在住市区まで)も入賞発表後に他ウェブサイトで掲載する可能性があります。
  • ・入賞者が自ら作品の展示、ウェブサイト・書籍・刊行物等への掲載、広告として等の使用を希望する場合は必ず事前に(独)自動車技術総合機構交通安全環境研究所へご相談ください。

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